1763/1940

懺悔室にいるのは誰？

　懺悔室で懺悔できるのは人だけではない。妖怪、幽霊、天使、悪魔、妖精だって懺悔しにくる。

「神父様、私は昨日『あっ、この神気持ち悪い』と思ってしまいました。こんな私は天使失格でしょうか？」

「正常です。特に問題ありません。遠くからだときれいに見えても近づいたらそんなことなかったなんて話はよくありますから」

「そうですか。ですが、あんな神の命令に従っているのはもう嫌です。転職した方がいいのでしょうか？」

「いきなり職を変えるのはオススメしません。まずは違う神様の元で働いてみてください」

「分かりました。そうします。神父様、どうもありがとうございました」

「いえいえ、どういたしまして」

「……最近、人間が俺たち悪魔を召喚しなくなった。こっちにはノルマがあるから困ってる。どうすればいい？」

「人間は欲深い生き物なので満たされていない人の背中を少し押してあげるだけで人は別人になります」

「でも、だいたいのものは金さえあれば手に入るじゃないか」

「お菓子の家や白馬の王子様、怪獣やヒーローなどに憧れている人のところに行きなさい。きっとあなたの力を知ればどハマりしますよ」

「なるほど。ありがとう、神父様」

「いえいえ、どういたしまして」

　よしよし、今日もAI神父は順調だな。これで人がいなくなっても安心だな。