正常カステラ
あれー? ホットケーキ作ってたはずなのにカステラになったー。まあ、いっかー。
「凛ちゃーん」
「はい、何でしょう」
「カステラ作ったんだけど食べる?」
「私がいただいてもいいんですか?」
「いいよー。ん? なんか凛ちゃん顔赤くない?」
「そ、そんなことないですよ」
「そうかなー。ねえ、ちょっと『スキャンゴーグル』で見てもいい?」
「え? あー、はい、大丈夫です」
「ありがとう。む! これは……」
「え? 何ですか? 私、どこか悪いんですか?」
「いや、少し体内の霊力の流れが悪くなってるだけだよ」
「そ、そうですか。よかった。その程度なら数日で治りますね」
「だねー。あっ、カステラどうぞ」
「あっ、ありがとうございます。いただきます」
凛(狐っ娘)ちゃんはリビングにあるソファに座るとカステラを食べ始めた。
「うん! とってもおいしいです!」
「本当? よかったー」
ん? なんか凛ちゃんの顔色が良くなった気がする。よし、スキャンゴーグルで見てみよう。あっ、体内の霊力の流れが良くなってる! 私が作ったカステラを食べたからかな? 食べると正常になるカステラ……『正常カステラ』。うん、いい名前だ。
「まだまだたくさんあるからみんなにも配ってくるねー」
「はーい」




