ドーナツツジには毒がない
ドーナツツジには毒がない。ドーナツがツツジの毒を分解しているからだ。なぜドーナツにそんなことができるのか。なぜドーナツを取ってもすぐ新しいドーナツが生えてくるのか。いつからこの世界にあったのか。色々と謎が多い植物だが、お菓子の国からやってきたことだけは分かっている。
「ドーナツツジの蜜には毒がないから、おやつの代わりになるんだよ」
「へえ」
植物園には花の精や植物人間がたくさんいる。
「私の体に生えているドーナツも食べられるけど食べたい時は言ってね。自分で千切るから」
「それだと背中に生えてるドーナツ、誰も食べられないよ」
「いいんだよ、背中にあるのは私の本体だから」
「ふーん。じゃあ、お姉さんのおなかに生えてるドーナツちょうだい」
「いいけど、晩ごはん食べられなくなるよ」
「いいのいいの。お母さん帰ってくるの遅いから」
「お父さんは?」
「いつもうちにいるけど、ミドリガメになっちゃったから働けないんだよ」
「そう。それは大変だね。はい、どうぞ」
「ありがとう。いただきます。うん! おいしい!」
「いつでもおいで。私、いつも暇だから」
「うん! またね! お姉さん!」
うーん、なんとかならないかなー。あっ、そうだ!




