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最終回よかった
チーム星の王が九割、妖精さんたちが一割作ったアニメの最終回の放送終了後、いろんなSNSで『最終回よかった』がトレンド入りした。
「どのへんがよかったんだろう」
「お義兄ちゃんたちが作った最終回はね、延期が確定してたものなんだよ。でも、お義兄ちゃんたちのおかげでなんとか放送できた。だからみんなすごい、すごいって言ってるんだよ」
「すごいのは倒れる前にメモを残した監督だよ。アレがあったおかげで間に合ったんだから」
「へえ、そうなんだ。でも、メモに書いてあることを全部やるには人手が足りない。だから」
「僕たちを頼った……ということか」
「だろうね」
夏樹(僕たちの妹)はうちのリビングにあるソファに座ると両手を広げる。
「お義兄ちゃん、おいで」
「ん? なんでだ?」
「おいでー」
「あ、ああ、分かった」
「よしよし、よく頑張ったねー。えらいえらい、いい子いい子」
「……しばらくここで休んでもいいか?」
「いいよー。おやすみ、お義兄ちゃん」
「ああ、おやすみ」
夏樹の体温が心地いい。今日くらい妹に甘えてもバチは当たらないだろう。
「お疲れ様。ゆっくり休んでね」




