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氷鬼ちゃんの誕生日

 雪山に住む氷鬼こおりおにちゃんは手で触れたもの全てを凍らせてしまうため、自分と同じ名前の遊びを一生できない。


「おーい、氷鬼ー。いないのかー?」


「……なんだ?」


「よかった、生きてた」


「勝手に殺すな」


「すまんすまん。というか、今日、お前の誕生日だろ? おめでとう」


「まあ、そうだが……それがどうかしたのか?」


「お前にプレゼントがあるんだ。ブレイン」


「はいはーい。氷鬼ちゃん、誕生日おめでとう! 私ねー、ホントは人間と仲良くしたい氷鬼ちゃんのためにこれ作ったんだ」


「なんだ? これは」


「『安全手袋』ー!」


「……は?」


「氷鬼ちゃん、それ使ってみて」


「あ、ああ……これでいいのか?」


「うん! じゃあ、私を抱きしめてみて」


「そんなことしたらお前は……」


「凍らないよー。それを外さない限り氷鬼ちゃんは誰とでも手を繋げるよー」


「こんなものでそれが実現するのか?」


「その手袋、凍ってないでしょ?」


「あっ、ホントだ。どうしてだ?」


「自分と自分の周囲の温度を一定に保つ植物の葉っぱの性質をその手袋の中に入れてるからだよー」


「そんなことができるのか?」


「できるよー。ほら、早く私を抱きしめて!」


「あ、ああ、分かった。ギュー」


「ね? なんともないでしょ」


「ほ、ホントだ。ありがとう、星の王。それから」


「ブレインだよー」


「ありがとう、ブレイン。二人のプレゼントのおかげでようやく子どもたちと触れ合えるよ」


「よかったな、氷鬼」


「よかったね、氷鬼ちゃん! じゃあ、またねー」


「ああ、またな」

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