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おう、来てやったぞ、優等生
ここが優等生の家かー。大きな門だなー。これだけで高い車を何台か買えそうだ。
「ようこそ我が家へ」
「おう、来てやったぞ、優等生」
「夏樹、今すぐ悪意しかない笑顔をやめなさい」
「えー、なんでー?」
「蝶蜂院さんのボディガードがこっちを睨んでるからだよ」
「え? あー、ホントだ。こわーい」
「だろ? ということでお前はしばらくお口にチャックしてろ」
「はーい」
「よし、いい娘だ。えっと、天体観測をするんだっけ?」
「その前に見てほしいものがあるので私の部屋に来てください」
「分かった。行くぞ、夏樹」
夏樹(僕たちの妹)は首を縦に振ると僕の手を握った。僕はその手を離さないようにギュッと握った。五体満足で家に帰れるといいなー。




