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罰……ね

 鬼姫きき童世わらよさんはニコニコ笑っている。


「どうする? あんたになら、あたしを殺せるかもしれないけど、そんなことしたら雅人こいつも死ぬわよー?」


「うん、知ってるー。でも、そんなのあんたと雅人まさとくんのリンクを断ち切ればいい話でしょー?」


 鬼姫ききは真剣な表情になると、こう言った。


「それはもう試したわよ。でも、無理だった。なんで無理だったか分かる?」


「もう離れたくても離れられなくなったんでしょ?」


 彼女はコクリとうなずく。


「そうなのよー。雅人こいつの前の前の世代から、ずーっとたましいだけだったせいであたしがリンクを断ち切ろうとすると、拒絶されちゃうのよ」


「良かったわねー、その理屈だとあんたは不老不死になったようなものよー」


 鬼姫ききは大きなため息をく。


「そんないいものじゃないわよ。五感を遮断してないと、こっちまで感じるし、出血とかしたら普通に痛いし」


「人間の体はもろいからねー。でも、それがあんたの罰よ」


 罰……ね。

 あたしはただ、自分の居場所を守ろうとしただけなのに。


「とにかく、あたしは雅人こいつの体から出ていきたくても少しの間しか無理なの!」


「なら、その時間を徐々に長くしていけば、最終的に自分の体に戻れるんじゃないの?」


 あっ、そうか。

 その手があったか。


「あー、でもあたしの体って、たしか……」


「とある神社の一室に拘束されて、あんたが近づくと爆発する仕組みになってるわねー」


 はぁ……普通、そこまでする?


「まあ、何をしても再生するから閉じ込めておかないと不安なのは分かるけど」


「だからって、ずーっと拘束するのはちょっとかわいそうねー」


 こいつ、絶対かわいそうだなんて思ってない。


「まあ、別にいいんだけどね」


 彼女はそう言うと、畳の上に横になった。

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