効力は同じ
ヘラ様からいただいた報酬は『神様の証』だった。
「あのー、ヘラ様。これって普通自分の国の神様からもらうものだと思うのですが……」
「日本の神々はあなたたちのことが怖くて近づけないのよ。それとこれはどの神様からもらっても効力は同じなのよ。知ってた?」
「ええ、まあ」
「そう。じゃあ、これから頑張ってね。『星神王マサル』と『星の女神ナツキ』」
「せ、せいしんおう?」
「ほしのめがみ?」
「ええ、そうよ」
「他の神にしてください。この星の神の王になんてなれません」
「大丈夫。通り名みたいなものだから」
「いや、でも……」
「いいのか? 私を星の女神にしたこと、いつか必ず後悔するぞ」
「その時はその時よ」
「そうか」
「えっと、じゃあ、僕たちそろそろ帰ります」
「待って!」
「な、なんですか?」
「お願い! 一晩だけでいいからあなたたちの家に泊まらせて!!」
「はぁ? ダメに決まってるだろ」
「夏樹、顔が怖いぞ」
「そこをなんとか! お願い! 万物に効く惚れ薬の作り方教えてあげるから!!」
「何? それは本当か?」
「ええ、本当よ」
「そうか。じゃあ、ついてこい」
「はーい!」
惚れ薬か……誰に飲ませるつもりなんだろう。




