このレベルなら念力でなんとかなりますね
放課後になると僕は一瞬で雲の上まで移動した。
「おーい、そこの三人組ー。僕のクラスの担任を狙わない方がいいぞー。お前たち程度じゃ倒せないからー」
「な、なんだと!」
「あんなガキが俺たちより強いわけがねえ!」
「そうだ! そうだ!」
あー、自分のことをバカだと認識できないタイプか。終わったな。
「そうかー。じゃあ、もうお前たちの好きなようにしてくれー。ただし、先生に何をされてもあとで文句言うなよー」
「バーカ! 俺たちはめちゃくちゃ強いから負けないんだよ!!」
「しゃあ! 行くぜー!!」
「ひゃっはー! 久しぶりに暴れてやるぜー!!」
はぁ……呆れた。勝手にしろ。
「主! 賞金稼ぎがこっちに向かってくるぞ!」
「そうですか。うーん、このレベルなら念力でなんとかなりますね。えいっ」
美山先生はバカ三人を念力で無理やり団子にした。これでしばらく静かになるだろう。
「まあ、こんなものですかね。人じゃなくてよかったですね。百年後に会いましょう」
先生はそう言うと廊下を歩き始める。きっと職員室に向かうのだろう。僕はバカ三人を水星に送ると夏樹(僕たちの妹)と共に家に向かって歩き始めた。




