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今すぐリンクさせてください

 次の日、僕が自分の教室に行くと美山みやま先生が僕の席に座っていた。


「先生、おはようございます」


「おはようございます」


 先生はそう言いながら僕の元に歩み寄る。


「先生、食欲が増してるんですよね? 大丈夫なんですか?」


「……満たされないんです」


「え?」


「食べても食べても満腹にならないんです」


「何を食べてもダメなんですか?」


「色々食べましたけど、すぐにエネルギーに変換されてしまうんです」


「うーん、もしかすると先生は夏樹なつきと同じ体質なのかもしれませんね」


夏樹なつきさんと同じ体質?」


「誰か私のこと呼んだー?」


「呼んだ呼んだ。夏樹なつき、お前の体質について先生に説明してくれないか? あっ、食欲以外のことは説明しなくていいぞ」


「はーい。えっとねー、私は食べ物や飲み物をすぐ霊力に変換しちゃうから満腹にならないんだよー」


「なるほど。ということは私が人間をやめたせいでこんな体質になってしまったんですね」


「まあ、そうなるねー」


「どうします? 明日の昼くらいになれば人間に戻れますけど」


「私は貧弱な人間に戻りたくありません。私の体はあまり頑丈ではないので人間に戻ったらまた二人や他の人たちを頼ることになります。しかし、人外の体ならコツさえつかめば今までできなかったことができるようになります。なので私はもう人間に戻りたくありません」


「……本当にそれでいいんですか?」


「構いません」


「分かりました。えっと、じゃあ、先生の食欲を満たせるかもしれない方法を試してみましょうか」


「そんな方法があるんですか?」


「ありますよ。夏樹なつき、先生に説明してくれ」


「はーい。あのねー、お義兄にいちゃんの体は常に大量のエネルギーを作ってるから無限の食欲持ちの私の体とリンクさせてもらってるのー」


「なるほど。つまりどちらにとっても都合がいい関係なんですね」


「そういうことー。で? どうするー? 先生もそれやるー?」


「やります」


「いいんですか? 先生」


「はい、構いません。今すぐリンクさせてください」


「おい、先生の守護霊」


「なんだ?」


「止めないのか?」


「主がそうすると決めたら基本的に守護霊は何もできない。止めたい気持ちはあるが、なんとかなりそうな気もしている」


「つまり僕がうまくやればいいんだな」


「そういうことだ、頼んだぞ、星の王」


「分かった。じゃあ、僕と先生の体をリンクさせますよー。心と体の準備はいいですか?」


「だ、大丈夫です! いつでもどうぞ!!」


「分かりました。じゃあ、リンクさせます。よっと」


「……!! くっ……! す、すごい……! 私の中に大量のエネルギーが流れ込んできます……!」


「辛そうですね、出力を少しダウンさせましょうか」


「お、お願いします……!」


「分かりました。えっと、このくらいでどうですか?」


「も、もう少し優しくしてください……」


「分かりました。じゃあ、これでどうでしょう」


「あっ、大丈夫です。あー、満たされるー」


「よかったね、先生」


「はい! あー、幸せー」


「よかったな、先生の守護霊」


「ああ、ありがとう、星の王。これで永遠に主と共に生きられるようになった」


「そうだな。あー、それと何かあったらいつでも連絡してくれ。出力調整ミスると先生の体大変なことになるから」


「分かった」

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