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それは私が一人でやる
美山先生はお義兄ちゃんが作ったお粥を残さず食べた。
「先生、一応明日の朝迎えに来るので今日はしっかり休んでください」
「はい、そうしま……スウ……スウ」
「先生、食べた後すぐ寝ると牛になりますよ」
「モー」
「うーん、パジャマに着替えさせた方がいいのかな? いや、その前に体を拭いておいた方がいいか」
「お義兄ちゃん、早く帰ろう」
「夏樹、先生の体拭きたいから服脱がすの手伝ってくれ」
「ダメ。それは私が一人でやる」
「一人で?」
「うん」
「そうか。じゃあ、任せた」
「任せといて」
「僕は浴室にいるから何かあったら呼んでくれ」
「分かった」
「なあ、先生の守護霊」
「なんだ?」
「夏樹のサポートをお願いしてもいいか?」
「分かった」
「いらない。私一人でやれる」
「だそうだが」
「そうか。じゃあ、部屋の掃除でもしておいてくれ」
「分かった」




