作業用動画
とある廃病院……。
誘拐されたゲーム実況者たちは特殊な粘液でベッドに固定されており口はガムテープで塞がれている。
「人気ゲーム実況者の魂を十二個食べれば俺は最強のゲーム実況者になれる! さぁ、お前たちの魂を差し出せ!!」
犯人は上級悪魔と合体しているが、こちらがすでに部屋に侵入していることすら気づけないほどなので正直そんなに強くない。
「捕獲結界」
「な、なんだ! これは!! だ、出せー! ここから出せー!!」
うるさいなー、結界に防音機能付与しよう。えいっ。よし、できた。
「透明化解除。えーっと、とりあえず部屋を明るくしようか」
僕は霊力で作った光る玉で部屋を明るくした後、ゲーム配信者たちを自由にしてやった。
「病院の外に警察が待機しています。道案内はつるべ火がしてくれますから慌てず騒がず落ち着いて脱出してください」
「お、おう、分かった」
「あ、ありがとうございます!」
「それより早くここから出ようよー」
「そうだな、そうしよう」
ああ、俺の夢が! くそ! あともう少しだったのに!!
「防音機能解除。で? 君はどうしてこんなことをしたの?」
「俺のゲーム実況の方が面白いはずなのになんであんなほぼ初心者みたいな連中の方が人気なんだ! おかしいだろ!!」
「君の動画全部見たけど、RTA動画以外そんなに見られてないってこと知ってる?」
「……え?」
「ゲーム内にあるトラップを全部知ってるとさ、失敗した時のリアクションで笑いをとれないし、淡々と進むから眠くなるし、そもそもゲーム攻略してるのにほぼ無言だから作業用動画になってるんだよ」
「そっか……じゃあ、これからは解説入れるようにするよ」
「まあ、その前に自分の罪を償わないといけないけどね」
「その前にこの悪魔どうにかしてくれないか……」
「契約する時に何を代償にしたかによるなー」
「た、魂だ……」
「そっか。うーん、じゃあ、君が罪を償った後君の魂を複製するからそれまでそのままでいてくれ」
「え? じゃあ、それまでずっとこのままなのか?」
「悪魔と合体した人間が事件を起こすと、とりあえず人間が死刑になることはほぼないよ。だから、そのままの状態の方が社会復帰しやすくなるよ」
「そ、そうか。じゃあ、そうするよ」
「よし、じゃあ、行こうか」
「おう……」




