地球観光
次の日、僕と夏樹(僕たちの妹)と『烏羽 色』で地球観光をした。僕たちは待ち合わせ場所にしていた公園に戻ってくると地球の現状について話し始めた。
「どうだった?」
「うーん、汚物が結構ありましたねー」
「言い方……」
「お義兄ちゃん、そろそろ人間滅ぼそうよ。あんなのと一緒に住んでたら頭おかしくなっちゃうよ」
「夏樹、ストレートすぎるぞ」
「だってー」
「まあ、気持ちは分かる。でも、人間がいないと困る生き物が少なからずいるから自滅するまで待ってた方がいいと思うぞ」
「星の王、人間を滅ぼすより人間を別の生き物に変える方が楽だと思いますよ」
「え? あー、うーん、まあ、そうだな」
「人間が希死念慮したら別の生き物に変えようよ」
「死にたいは生きたいだからな。まあ、考えておくよ」
「実現したらきっとみんな幸せになれると思います」
「そうだねー」
「うーん、でも、それだと貧弱すぎる生き物が絶滅するな」
「お義兄ちゃんが少し強化すればいいんじゃない?」
「え? うーん、まあ、自然界で生きていける程度まで強化してやるか」
「残る課題は『人間を何の生き物に変えるか』ですね」
「それは自分が一番なりたい生き物になれるように設定しておけばいいと思うぞ」
「そうですね。それなら特に問題ないと思います」
「いいねいいねー、人口が一定値を超えたらそれ実装しようよ」
「そうだな。そうしよう」




