すべり台って人生の縮図だと思いませんか?
スイートピーの妖精が彼女のそばにいる限り妖精の花言葉魔法『私を忘れないで』と『永遠の喜び』の影響を受ける。だから、今後彼女が不幸になることはない……。
「星の王、すべり台って人生の縮図だと思いませんか?」
「うーん、どうだろう。それよりどうして君がここにいるんだ? 『烏羽 色』」
「最近知ったんですけどね、私ってカラスが存在している世界に干渉できるみたいなんですよ」
「そうなのか。すごいな」
「あんまり驚いてないですね」
「それは多分今までいろんなことがあったからだよ」
「なるほど」
「ところで君は何しにこの世界に来たんだ?」
「星の王が管理している地球を見てみたいと思ったからです」
「そうか。というか、先生のそばにいなくていいのか?」
「お兄ちゃんは今寝てるから大丈夫です。それより早くこの世界を案内してください。私、知りたいんです。星の王が管理している地球のことを」
「それってさ……デートだよね?」
「出たー、夏樹の横槍だー」
「あんた、私のお義兄ちゃんとデートしたいの?」
「あ、あなたが星の王の妹の夏樹さん……なんですか?」
「ええ、そうよ。それより早く私の質問に答えて」
「はい。答えはイエスです」
「そう。じゃあ、今すぐあの世に送ってあげるね」
「夏樹、この娘は観光がしたいだけなんだから殺す必要ないと思うぞ」
「お義兄ちゃん、カラスは賢いからきっと色々仕掛けてくると思うよ」
「そんなことしないと思うぞ。なあ? シキ」
「え? あっ、はい、しません」
「嘘だ! この淫鳥め! お義兄ちゃんの初めては私のものなんだからあんたは同族とよろしくやってなさい!!」
「……いつもこうなんですか?」
「ああ、僕が絡むといつもこうだ」
「そうですか。面白いですね」
「笑うなー! シャー!!」
「かわいい。頭撫でてもいいですか?」
「ダメに決まってるでしょ!」
「そうですか。えっと、じゃあ、観光はまた今度にしますね」
「観光? デートじゃなくて?」
「デートはしません。私は観光したいんです」
「そう。じゃあ、お義兄ちゃんと私とあんた、この三人で観光しよう」
「え? それでいいんですか?」
「デートじゃないならいいよ」
「もしデートだったら?」
「あんたを今日の晩ごはんにする」
「命がけのデートはやりたくないので観光することにします」
「よろしい。じゃあ、明日の朝八時にこの公園に集合ってことでいい?」
「はい」
「ああ、いいぞ」
「そっか。じゃあ、そういうことで。お義兄ちゃん、早く帰ろう!」
「お、おう。じゃあ、そういうことで」
「はい」
明日、晴れるといいなー。




