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スイートピーの妖精

 私は透明人間だ。体が常に透明な状態というわけではないけれど、私を見た人は私から少し目を離しただけで私のことを忘れてしまう。だから、私はいつも体のどこかに名札を付けている。そうしないと私は一人になってしまうから。


「そこの人、ちゃんと前を見て歩いた方がいいですよ」


「そんなことしても何も変わりません。私は一生誰の記憶にも残らない透明人間なんですから」


「あなたは諸行無常という言葉を知っていますか?」


「この世に変わらないものはないなんて嘘ですよ」


「嘘かどうかはこれから分かります。スイートピーの妖精さーん」


「はいはーい」


「うわっ! な、何これ! ホログラム?」


「違います。スイートピーの妖精です」


「妖精? そんなのこの世にいるわけ」


「そのへんに妖怪がいる世界ですからねー、妖精がいてもおかしくありませんよ。えっと、今日からこの娘はあなたのパートナーです。あなたが死ぬまでその娘はあなたのそばにいてくれます」


「それだけ……ですか?」


「それだけであなたの人生は激変します」


「嘘だ!!」


「嘘だと思うのなら明日仲良くしたいと思っている人に話しかけてみてください。確実にその人と友達になれますから」


「わ、私はそんなの信じない! 絶対に信じない! で、でも、一応やってみる」


「そうですか。じゃあ、僕はこれで」


 彼はそう言うとその場からいなくなった。今のは夢だったのかな? うーん、でも、私のそばにスイートピーの妖精がいるから多分夢じゃないんだよね。


「え、えっと、妖精さん、これからよろしくね」


「はい! よろしくお願いします!!」

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