福引き
商店街の福引きで肩たたき券(三等)が当たった。肩たたきの妖精が時々来てくれるらしいが本当かどうかは分からない。ちなみに二等は未来のゲーム機(人類が滅亡するまでに作られたゲームソフト全てに対応している。変形可能)で一等は安眠枕(使用すると一年〜一億年分の睡眠負債を完済できる)だった。
「時々かー。どれくらいのペースで来るんだろう」
「あなたが疲れている時に来ます」
「うわっ! びっくりしたー。あー、手の平サイズなのかー」
「はい、そうです。えっと、ここがあなたの部屋ですか?」
「まあ、そうだな」
「そうですか。じゃあ、あなたの体をスキャンしますね」
「お、おう」
「……スキャン完了! じゃあ、うつ伏せになってください」
「あー、うん、分かった」
ん? もしかして全身マッサージしようとしてる?
「分裂! 肉体強化! ターゲットロックオン! 疲労分解拳! やー!!」
『やー!!』
「え? ちょ……う、うわあああああああああぁ……」
疲労が消滅していく感覚が気持ちよくて俺はいつのまにか眠っていた。
「ふぃー、まあ、こんなものですかね。それでは失礼しまーす」
おやすみ、漫画家くん。
「星の王! アレは天界のサービスですよ!」
「漫画の神様、アレは元々人間が生み出した技なんだから人間に使っても問題ないよ」
「し、しかし!」
「それと奥義を使えなくしてるから大丈夫だよ」
「そ、そうですか。まあ、それならいいでしょう」
まあ、奥義なんか使わなくても組み合わせ次第で奥義百回分くらいの効果が出るんだけどね。
「じゃあ、僕はこれで」
「は、はい」




