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俺とカラスと子どもたち
あれは映画の撮影だったのかー。そっかー。俺が近くの公園に行くと子どもたちが何かを囲んでいた。
「汚い鳥め! 俺の木の枝で地獄に落ちろ!」
「カー! カー!」
「それそれー! 石の雨だぞー!」
「カー!」
「砂に埋もれてしまえー! えい! やー! とー!」
「カー!!」
子どもたちはカラスをいじめている。子どもはバカだなー。子どもたちは夕方のチャイムが鳴るとその場からいなくなった。このままだと明日があの子たちの命日になるな……。よし、どっちも助けてやろう。
「大丈夫か?」
「……やる」
「ん?」
「復讐……してやる」
「復讐かー。まあ、別に止めはしないけどとりあえず体をきれいにしてやるからこっち来い」
「……うん」
俺は公園の水飲み場でカラスの体をきれいにしてやった。
「よし、こんなものだろう。で、どうする? あいつらに復讐するか?」
「……うーん、次来たら反撃する」
「そうか。手加減してやれよ」
「うん」
「じゃあ、俺そろそろ帰るから」
「うん、またね」
「おう、またな」




