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 来週分の漫画を描き終えた俺が散歩をしていると声が聞こえてきた。


「なあなあ、俺がこの試験管の中にあるY染色体あげるからお前のX染色体くれよって言ったらどうする?」


「は? いきなり何ですか? 通報しますよ」


「あー、すまん。いきなりこんなこと言われても困るよな。えっとな、あまり知られてないけどY染色体があるかないかで男女どちらになるかが決まるんだよ」


「は、はぁ……そうですか。じゃあ、通報しますね」


「待て待て待て! 話を最後まで聞け!」


「えー、うーん、じゃあ話を最後まで聞いたら通報しますね」


「ありがとう! えっと、この世には元男の女が少なからず存在しててな、この世界では男から女になる時もしくは女から男になる時にY染色体とX染色体の移植と除去をすることで完全に異性になるっていう方法が主流なんだよ」


「は、はぁ……」


「で、ここで問題なのが死人からそれを取ると手術の成功率が生者のものよりかーなーり低くなるんだよ」


「なるほど。でも、男性にはX染色体があるじゃないですか」


「この世界ではY染色体を除去しただけでは男は女になれない。男の象徴を切り落とそうと男性ホルモンを抑える薬を飲んでもあまり効果はない。なぜだか分かるか?」


「さ、さぁ?」


「この世界で女性になるには女性のX染色体が……つまり認証コードが必要不可欠だからだ」


「それは女性が男性になる場合も同じなんですか?」


「もちろんだ」


 まあ、染色体の数が普通の人より多いやつから取った染色体を使うとなぜか男と女どちらにもなれるようになるんだけどな。


「なるほど。じゃあ、通報しますね」


「ちょ、ちょっと待て! まだ報酬の話をしてないぞ!」


「お金なんていりません。私は自分を安売りしないので」


「そっか。じゃあ、他を当たるよ」


「そうしてもらえると助かります」


「おう、じゃあな。きれいなお姉さん」


「うん、じゃあね、おじさん」


「はい! カットー! いやあ、二人ともいい演技だったよー! それじゃあ、今日の撮影はここまで! 明日は海で撮影するから日焼け止め忘れないようにしてね! じゃあ、今日は解散! お疲れ様でしたー!!」


『お疲れ様でしたー!!』


 なあんだ、映画の撮影だったのかー。びっくりしたー。

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