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おけーりー
今週分と来週分の漫画を描き終えた後、俺は実家に帰った。
「数年ぶりだなー、実家に帰ってきたの」
「ここがお兄さんの実家……」
「せ、セイローン! お前、なんでいるんだよ!」
「お兄さんの実家がどこにあるのか知りたかったからお兄さんの影の中に入ってたんだけどダメだった?」
「いや、なんというかどこからツッコミ入れたらいいか分からないからとりあえずアパートに帰るまでおとなしくしててくれ」
「はーい。じゃあ、私はお兄さんの影の中で昼寝してるから。何かあったら呼んでね」
「お、おう」
はぁ……。なんか今のですごく疲れた……。
「ただいまー」
「おけーりー」
「ただいま、母さん」
「おー、なんかいい意味で痩せとるー。ちょっと父さん! 見てみー! たっちゃん、痩せとるよー」
「おー? どれどれー。おー、たしかにいい意味で痩せとるのー」
「父さん、あんまりジロジロ見ないでくれ。恥ずかしいから」
「ほうか。まあ、とりあえず茶でも飲め。母さん、お茶」
「はいよー」
あー、こそばゆい。でも、悪くはないんだよなー。




