試用期間 後編
けーちゃん(毛女郎)が来てから三ヶ月が経過した。今日で試用期間が終わる。
「セイローン、けーちゃんのことなんだが」
「合格よ」
「え?」
「けーちゃんがいなかったら何回か間に合ってない時がちらほらあったからこれからもいてくれると助かるわ」
「だってよ! けーちゃん! やったな!!」
「あ、ありがとうございます! 私、これからも頑張ります!!」
「顔のパーツ全部ないのに泣けるのね。けーちゃんの体はどうなってるの?」
「こ、これは涙ではなく髪から漏れてる私の霊力なんです」
「そう。えっと、じゃあ、落ち着いたら仕事再開して」
「は、はい! なるべく早く再開できるようにします!!」
「泣きたい時に泣いておかないと仕事に集中できないと思うから思い切り泣いていいわよ」
「は、はい! そうします!! うええええん! 嬉しい! 嬉しいよー! 私、先生のアシスタントになれた! 私、今すっごく幸せー!!」
「よかったな、けーちゃん」
「はいー!!」
「お兄さんのファンってなんか変なのばっかりね」
「そうか?」
「そうよ」
「そうかなー? まあ、いいや。えっと、今週はどんな話にしようかなー」




