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本の中に吸い込まれた
書店で立ち読みしていたら本の中に吸い込まれた。
「まあ、この世界ではよくあることだからな。とりあえず助けが来るまで昼寝でもしよう」
俺は今、ギャグ漫画の世界にいる。だから死んでも大丈夫……多分。
「今日のお昼ごはんみっけ! バラバラビーム!」
「え? うわあああああああ!!」
子どもの落書きみたいな幼女が放ったビームに触れると俺の頭と両腕と両足が胴体から分離した。
「大物だー! 丸焼きにしよう!」
「丸焼き!? や、やめてくれ! 俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ!!」
「私の視界に入った時点でこうなることは確定してたんだよ!」
「ふ、ふざけるな! お前、人の心とかないのか!」
「そんなものは生まれた直後に捨てたよー。じゃあ、そろそろ私の家に行こうか」
「や、やめろー! やめてくれー!!」




