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漫画雑誌の表紙の真ん中
妖宙うぉ〜ずの連載が始まってから数ヶ月が経過した頃、漫画雑誌の表紙の真ん中にそれに出てくるキャラクターがよく載るようになった。
「いやあ、ついに俺の時代来たなー」
「お兄さーん、早く今週分描いてー」
「なんだよー、少しくらい浮かれたっていいじゃないか」
「ダメよ。お兄さんは調子に乗るとやらかすタイプなんだから」
「ホントお前は真面目だなー」
「当然よ。私はお兄さんの夢を実現させるために生まれたんだから」
「ん? じゃあ、俺の夢が叶ったらお前はどうなるんだ?」
「特に何も起こらないと思うわ。私はずっとお兄さんのそばにいたいから」
「今のってプロポーズか?」
「ち、違うわよ! ほら、手が止まってるわよ! さっさと今週分描いて!!」
「はーい」




