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理由は二つある

 怪盗二百面相は公園にいた。


「なあ、黄金の夏みかんをうちの庭に置いたのはお前なんだろう?」


「だとしたらどうする?」


「別に。ただ、お前がなんでそんなことをしたのか教えてくれないか? 知名度を上げるためか?」


「違う」


「じゃあ、なんだ?」


「理由は二つある。一つは星の王である君と会ってみたかったから。そしてもう一つは宇宙怪盗と話をしてみたかったからだ」


「だってよ、ミスティー」


「ふーん。で? 私に何か用?」


「あなたがロイヤルミスティーですか?」


「まあね」


「はぁ……そうですか」


「ちょっと! なんで今、ため息ついたの?」


「同じ星に長期間滞在するような宇宙怪盗など宇宙怪盗ではありません」


「ふーん。で?」


「今からあなたの盗みの技術を盗んでもいいですか? いいですよね?」


「できるの? 醜い素顔を隠すために常に仮面をつけてるあんたに」


「この小娘が!!」


「ええ、そうよ! 私は小娘よ! それがどうしたの? そんな些細なことで私が怒ると思った? くらえ! ビー玉フラッシュ!!」


「うっ! ま、眩しい!!」


「ロイヤルミスティー! ドロップキック!!」


「うおー!!」


「どうしたの? 反撃しないの?」


「いやあ、今のはいい蹴りだった。うんうん、やっぱり宇宙怪盗はこうでなくちゃ」


「どういうこと?」


「憧れの存在と会えて嬉しかった、ただそれだけさ。では、また会おう! 宇宙怪盗ロイヤルミスティー!はーはっはっはっはっはっは!」


 やつは笑いながらその場からいなくなった。


「あいつ、なんかすごく満足してたな」


「たしかに。あっ! そうだ! 黄金の夏みかん、どうする? 売る?」


「うーん、そうだなー。とりあえず大事に保管しておこう」


「保管かー。ねえ、本当にそれでいいの?」


「ああ、いいとも。さぁ、うちに帰ろう」


「うん!」

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