黄金の夏みかん 怪盗二百面相登場
今日はテレビで黄金の夏みかん特集をやっている。
黄金の夏みかんかー。アレは突然変異でそうなるから結構な額で取引されるだろうなー。
「旦那様、庭にこんなものが落ちていました」
「おう、凛か。ん? それって」
「コンバンハ♪」
「はい、黄金の夏みかんです。しかも人の言葉を話せます」
「そうかー。うーん、しばらく様子を見るか」
「そうですね」
「こんばんは! ここからはこの怪盗二百面相のターンだよ!」
なんだ? こいつ。というか、普通に電波ジャックするな。
「誰もが欲しがる黄金の夏みかん。しかし、それはすでにとある少女の手の中にある! この情報の真偽はテレビの前のみなさんに委ねるとして、私はこれから黄金の夏みかんを盗みに行こうと思う! というわけでイッツ・ショータイム!!」
「ど、どどど、どうしましょう! なんだか大変なことになっちゃいました! 旦那様! 今すぐ警察に相談した方がいいでしょうか?」
「やめた方がいい。やつはお前が黄金の夏みかんを持っていることを知っているからお前が何をしてもやつは必ずここにやってくる」
「じゃ、じゃあ、私はどうすればいいんですか?」
凛(狐っ娘)はパタパタその場で慌てている。
「凛、少し落ち着け。ヒーリングシャワー」
「あー、なんだかとっても癒されますー」
「凛、お前はこの部屋でのんびりしてていいぞ」
「分かりましたー」
「よし、じゃあ、僕は用事があるからちょっと外に出てくる」
「いってらっしゃーい」
凛はリビングのソファに横になるとスウスウと寝息を立て始めた。
相手は怪盗だ。きっとこちらの予想を上回る能力を持っている。うーん、とりあえず宇宙怪盗をぶつけてみるか。




