量産型クロカゲ
絶望のかけらのデータを元に開発された対人用強化スーツ『クロカゲ』。その量産型が世界中で暗躍している。
「はぁ……なんでそういうことするかなー。もう知らない。勝手にやってろ」
「……お義兄ちゃん、私の中の絶望がほんの少しだけどアレに反応してるような気がするんだけど、どうしたらいいかな?」
「何? ということはアレの製造をストップさせないと絶望が目覚める可能性があるのか。うーん、よし、全部溶かそう」
「溶かす?」
「ああ。アレに関わった全てを一度溶かして真っ当な仕事しかできなくしてやるんだよ」
「そんなことできるの?」
「できるよ。まあ、少し時間はかかるけどね」
「そうなんだ。じゃあ、お願いしていい?」
「もちろん! さぁ! 人間の闇たち! アレに関わった全てのものをみんな溶かしてしまえー」
『わー!』
人間の闇たちが僕の命令を完遂した後、僕は溶けてしまったものを全て復活させた。その際、脳を少し弄ったため悪事は一生できなくなった。
「これでよし。夏樹、体調の方はどうだ?」
「大丈夫。もうなんともないよ」
「そうかそうか。じゃあ、一休みするかな」
「私もお昼寝するー」
「はいはい」
僕たちは僕の部屋にあるベッドの上で仲良く昼寝をすることにした。今日はいい夢が見られそうだ。




