フルーツタルト依存症
最近、ある店のフルーツタルトを食べた人がフルーツタルト依存症になる事件が起きている。
「ここが例の店か。よし、入ってみよう」
「いらっしゃいませー」
「フルーツタルトください」
「かしこまりましたー」
店員は人間だな。でも、妖気を感じるから確実に何かいるな。
「おまたせしましたー。フルーツタルトです。ごゆっくりどうぞ」
一応、スキャンしたけど普通のフルーツタルトだな。
「いただきます」
うん、普通においしいな。でも、依存症になるほどではないな。
「ごちそうさまでした」
「千三百円になります!」
「はーい」
「ちょうどいただきます! ありがとうございます! またお越しくださいませ!!」
あー、これだな。レジに置いてある招き猫。これがフルーツタルトを食べた人を洗脳してフルーツタルト依存症にしているんだ。よし、フィルター結界でフルーツタルトを食べた人がリピーターになる程度に調整しよう。よし、こんなものだろう。
「おいしかったです。また来ます」
「はい! またのご来店をお待ちしております!!」
僕はフルーツタルトの形をした雲を見ながら家に向かって歩き始めた。今度はみんなと一緒に来ようーっと。




