表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1612/1940

神になる特訓

 雅人まさと兄さんはしばらく新世界で暮らすことになった。一応、僕の分身が交代で護衛してくれているため何かあっても大抵のことはなんとかなる。しかし、神や別世界の夏樹なつき(僕たちの妹)が兄さんを襲撃する可能性がある。僕はこれを兄さんに危害を加えようとする存在が何か企んだ時点でその存在に合わせた捕獲結界でその存在を捕獲する仕組みを構築し解決した。ちなみにそれは僕の許可がないと解除できない。まあ、闇堕ちした僕や夏樹なつきが来た場合は捕獲結界に幸せな夢を見せる力や幻影を見せる力を付与しないといけないんだけどね。


「ねえ、お義兄ちゃん。新世界にお義兄ちゃんや私はいるの?」


「僕の本体はいないけど分身ならいるよ。それと向こうには雅人まさと兄さんのことが夏樹なつきがいるよ」


「ふーん、そうなんだ。ん? ということは新世界の私はお義兄ちゃんにあんなところやこんなところを弄られてることになるのかな?」


「まあ、一応、微調整はしたな」


「その微調整というのを詳しく教えてほしいなー」


「いや、肉体と精神と魂をコピペした後、雅人まさと兄さんが困らないようにいろんな情報を向こうのお前の脳にインストールしただけだよ」


「それだけ? 胸とか弄ってないの?」


「弄ってないぞ」


「ふーん、そうなんだ。向こうに妖怪はいるの?」


「いるけど、この世界みたいに堂々と共存してないぞ。だから朧車タクシーとか人妖共学校とかはないよ」


「へえ、なんかもうやってること創造神だね」


「まあ、そうだな」


「星の王に選ばれた方のお兄ちゃーん! 全力合体した体元に戻ったよー!!」


「分かったー! 今行くー! ブレインが呼んでるからちょっと行ってくる」


「うん、いってらっしゃい」


「あっ、そうそう冷蔵庫に手作りプリンがあるから食べていいぞ」


「はーい」


 お義兄ちゃんがリビングからいなくなるといつも真顔な座敷童子が私の目の前に現れた。


「お久しぶりです。座敷童子の童子わらこです」


「久しぶり。それで? 私に何か用?」


「単刀直入に言います。夏樹なつきさん、神になってください」


「……それ、絶対ならないとダメ?」


「半神でも構いません。とにかくあなたの中の絶望を永久に封印し続けるには神になる必要があります」


童子わらこちゃん、はっきり言いなよ。絶望を封印する箱を頑丈にしろって」


「言わなくても分かると思ったので言いませんでした」


「ふーん、そうなんだ。いいよ、神になってあげる。でも、いいの? 私が神になったら童子わらこちゃんが私に勝てる可能性ほぼゼロになっちゃうよ」


「文字の力は神にも効きます。まあ、神相手だと文字にかなりの霊力を込めないと発動すらしませんがね」


「へえ、そうなんだ。じゃあ、童子わらこちゃんがどんな文字を使っても発動しなくなるようにするね」


「その領域に辿り着けるといいですね」


「辿り着けるよ、私に限界ないから」


「いいですね、あなたのそういうところ私は好きですよ」


「はいはい。じゃあ、久しぶりに神化しようかな」


「まずはその状態で生活できるようになってくださいね」


「はいはい、分かった分かった。えいっ!」


「はい、その状態をキープです」


「はーい」


 こうして神になる特訓が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ