雅と雅人と新世界
僕は雅人兄さんとこれからのことについて話すことにした。
「ねえ、雅人兄さん。これからどうする?」
「雅、その前に一つ教えてくれ。お前は俺の敵か? 味方か?」
「僕は兄さんたちと仲良くしたいと思ってるから敵ではないよ」
「そうか。まあ、敵だったらこの家に入るのは困難だからな。よし! この話終わり!!」
「え? いいの? 僕が兄さんに嘘をついてるかもしれないよ?」
「母さんや夏樹に色々教えてもらったからな! できるだけ面倒ごとを避けたいやつがこういう時に嘘をつくはずがないんだよ!!」
「そう」
みんな兄さんのこと暑苦しいって言ってるけど、これは多分眩しすぎるの方が妥当だよ。
「それでどうする? この世界をもう一つ作って微調整すれば、いつでも雅人兄さんがメインの人生をスタートできるよ」
「世界をもう一つ作る? そんな紙飛行機作るみたいなノリで言うなよ」
「兄さん、作れるものは作れるんだからいちいちツッコミ入れなくていいんだよ」
「そ、そうか。でも、それはかなり大変じゃないか? この世界で俺を知ってるやつらはそんなにいないけど、新世界だとそうならないようにするってことだろ?」
「うん、そうだよ」
「うーん、だったら日替わりで今の学校に通った方がいいんじゃないか?」
「兄さんには普通の人間として生きてほしいんだよ。この世界は鬼姫の一件で人間と妖怪が共存せざるを得なくなってるから」
「そうか。じゃあ、試しに新世界で暮らしてみるよ」
「分かった。じゃあ、今から新世界作るね」
「おう! 頼んだぞ! 雅!」
「うん!!」
妹もいいけど弟もいいなー。かわいい。




