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ケチャップ騒動

 今日の昼ごはんはナポリタンにしよう。あっ、ケチャップがない。よし、買いに行こう。


「うーん、おかしい。どこの店に行ってもケチャップだけなくなってる」


 仕方ない。ネットショップで買おう。


「おかしい。どれも在庫切れだ。僕にケチャップを買われたら困る人がいるのかな? いや、違うな。多分、今日は買わない方がいいんだ。よし、今日の昼ごはんはチャーハンにしよう」


「お兄ちゃん! テレビつけて!」


夏樹なつきか。どうした? そんなに慌てて」


「いいから早く付けて!」


「分かった」


 僕がテレビをつけるとケチャップを接種した人たちがトマトになっていく映像が流れていた。


「あー、これはメンヘラトマトの仕業だな」


「メンヘラトマト?」


「ああ。ケチャップじゃなくて生でトマトを食べてほしいからこんなことをしてるんだよ。まあ、他の野菜もこうなる可能性はあるけどな」


「そうなんだ。それで? 元に戻すにはどうしたらいいの?」


「それはメンヘラトマトにお願いするしかないな」


「そっか。えっと、そいつは今どこにいるの?」


「野菜の国にいると思う」


「そっか。じゃあ、一緒にお願いしに行こう!」


「そうだな」


 野菜の国。


「メンヘラトマトはいるかー?」


「げっ! 星の王! な、何しに来たの?」


「言わなくても分かるだろ」


「さぁ? 何のこと?」


「なあ、メンヘラトマト。君は生野菜を食べる機会が減った現代人に生野菜を食べさせるためにこんなことをしたのかな?」


「え? いや、その……」


「単に自分だけ食べてほしいから……という理由だったら他の野菜たちが黙ってないと思うよ」


「うっ……そ、それは……」


「今のうちに言っておかないと夏樹なつきに潰されるよー」


「ご、ごめんなさい! 私を食べてほしくてやりました! だから、殺さないでください!!」


「どうする? 夏樹なつき


「本当は許したくない。でも、許してあげる。私もお兄ちゃんに無視されたらあなたと同じようなことすると思うから」


「あ、ありがとう! じゃあ、みんなを元に戻すね!」


「ああ、頼む」


 こうしてケチャップ騒動は無事解決した。

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