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マーちゃん

 僕が家に帰ると幻の果実が泣きながら僕の胸の中に飛び込んできた。


「どうしたんだ? 夏樹なつきに何かされたのか?」


「私は何もしてないよ」


「そうか。じゃあ、どうして泣いてるんだ?」


「よがっだああああ! ちゃんと帰ってぎだー!!」


「おー、よしよし。あんまり泣くとスカスカになっちゃうぞ」


「私は常に空気中の水分を取り込んでるから大丈夫ー!!」


「そうか。気が済むまで泣いていいよ」


「分かっだあああああああ!!」


 数十分後、幻の果実は泣き止んだ。


「もういいのか?」


「……うん」


「そうか。じゃあ、今日の晩ごはんどうする?」


「焼きリンゴがいい」


「それ、共食いにならないか?」


「私は地球のどこかで生まれた果実だけど万病に効く薬が入ってる器みたいな存在だから共食いにはならない」


「そうか。分かった。じゃあ、お前の今日の晩ごはんは焼きリンゴでいいか?」


「うん」


「そうか。じゃあ、みんなにマーちゃんのことを紹介しておくか」


「マーちゃんって私のこと?」


「ああ、そうだ。幻の果実だからマーちゃん」


「そっか。うん、いい名前……採用」


「ありがとう。夏樹なつき、みんなを集めてくれ」


「はーい!!」


 こうして幻の果実はしばらくうちに住むことになった。

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