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肉嫌いのミート

 どうして人間は肉を平気で食べられるんだろう。あー、嫌だ嫌だ。考えただけで胃もたれしそうだ。


「おい、ミート。今日、焼き肉食べに行こうぜ」


「いや、僕はいいです」


「たまには肉食えよー。死ぬぞー?」


「毎日卵と納豆を食べているので大丈夫です」


「いやいや、牛とか豚とか鳥の肉食えよー。社内でお前がなんて呼ばれてるか知ってるか?」


「知りませんよ、そんなの」


「ウチキンだよ! 内気でチキンだからウチキン!」


「はぁ、そうですか。じゃあ、僕はこれで」


「肉食いたくなったら言えよー! 俺の実家、肉屋だからー!!」


 うちもそうですよ。


「ただいまー」


 さてと、今日もごはんと卵と納豆と味噌汁とサラダを食べるか。


「君は毎日同じものを食べてるんだね。かわいそう」


「お、お前は誰だ! 不法侵入だぞ!」


「僕は肉の妖精。僕が見えるってことは君は肉を十年以上食べていないんだね」


「ま、まあな」


「はぁ……正直ちょっと悲しいなー。かまぼこくらい食べなよー」


「知らないのか? 肉を食べてたら体がどんどん腐っていくんだぞ!!」


「なんで体が腐るんだよ。カビを食べてるわけじゃないんだから腐らないよ」


「嘘だ! 僕はそんなの信じない!」


「そっか。じゃあ、今からお寿司食べに行こう」


「寿司? なんで寿司なんだ?」


「いいからいいから。ほら、行くよー」


「ま、待て! 少し時間をくれ! 身支度を整えるから!!」


「はいはい。じゃあ、準備ができたら呼んでねー」


「あ、ああ!」


 ど、どうしよう。どうすればこいつを追い払えるんだ? そうだ! こいつをどこかに閉じ込めればいいんだ! よし、このお菓子の缶の中に閉じ込めよう。


「やー!」


「うわあー、捕まっちゃったー……まあ、どんなところだろうとすり抜けられるから意味ないんだけどね。それで? 準備できた?」


「いや、まだだ」


「そう。じゃあ、できたら呼んでねー」


 くっそー! そんなのありかよ! ま、まあ、何かしら弱点があるだろうからそれさえ分かれば怖くないな。


「準備できたぞー」


「はーい。じゃあ、行こうか」


「ああ」

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