迷宮で迷子になった
迷宮で迷子になった……。
「うん、まあ、こうなるよな……」
「ごめんね、お兄ちゃん。これ、脱出ボタンじゃなくてバリア展開用のボタンだったー」
「そうか。まあ、何もないよりかはマシだな」
「お兄ちゃん、これからどうする? 私がここまでズンズン進んできたせいでどうやったら帰れるのか分からないよ」
「そうか。じゃあ、僕の分身を迷宮の入り口に呼ぶか」
「そんなことできるの?」
「ああ、できるぞ」
「じゃあ、もう少し迷宮探索しようよ」
「どこまで行っても道と誰も使ってない部屋しかないじゃないか」
「それはここが宇宙の余白だからだよ」
「宇宙の余白?」
「そう。この世にたしかに存在しているけど、普段は誰にも認識できないからないことにされてるけど、必要な人がいたらひょっこり現れる……それが宇宙の余白だよ」
「そうか。じゃあ、なんでそれを迷宮にした後、迷宮の入り口と僕の家の地下を繋げたんだ?」
「それはねー、これがもしもの時のシェルターだからだよ」
「なるほど。お前は何も考えていないように見えるけど実はちゃんと考えてるんだな」
「うん、ちゃんと先を見据えてるよー」
「そうか。じゃあ、もう少し探索してから帰ろうか。将来、ここに住むことになるかもしれないから」
「うん!!」
ブレイン・ウィズダム。彼女の素性はよく分からないが妹にして正解だったな。
「僕にもしものことがあったらその時はみんなの面倒を見てやってくれ」
「お兄ちゃん、私が……ううん、私たちがいる限りお兄ちゃんがそうなることはないよ」
「だといいんだが」
「大丈夫。お兄ちゃんは一人じゃないんだからきっとこれからもなんとかなるよ」
「そうかな……」
「そうだよ! だから……ね? 今は迷宮探索楽しもう」
「そうだな。ありがとう、ブレイン。今ので少し気が楽になったよ」
「どういたしまして!」




