妹が一人増えた
何かを作るのが好きなラボのボスは僕を抱き枕にして眠っている。
「おい、そろそろ起きろ」
「……卵焼き無限製造機ー」
なんだ? 寝言か?
「……ポップコーン無限増殖光線銃ー」
「無限増殖はやばいな」
「……頭が空っぽになる薬ー」
「怖いな」
「……私のお兄ちゃんー」
「おい、僕は君の兄じゃないぞ」
「おねがーい。私のお兄ちゃんになってー」
「君は兄が欲しいのか? だったら自分で作ればいいじゃないか」
「私の理想のお兄ちゃんはねー、星の王なんだよー」
「君がこれからずっといい娘でいると約束してくれるのなら許可してくれるかもしれないな」
「誰がー?」
「それは……」
「私が」
「おー、夏樹。いたのか」
「うん、今さっき来たよ」
「本当は?」
「卵になる光線銃の銃口がお兄ちゃんに向けられた時からこっそり見てた」
「だと思った」
「ムニャムニャ……。んー? 君、だあれ?」
「私はお兄ちゃんの妹。あんたは?」
「このラボのボスだよー」
「そう。で? どうするの? これからずっといい娘でいられそう?」
「難しいなー。まあ、私が作った発明品を悪用されないように気をつけるよー」
「そう。じゃあ、早くお兄ちゃんを離して」
「えー、やだー」
「そう。じゃあ、お別れね」
「待て、夏樹。この娘を味方にすれば結構いいことあると思うから殺すのはやめてくれ」
「私、お役に立つよー」
「……あんた、経験人数は?」
「襲われたことはたくさんあるけど、この体はきれいだよー。全員私の発明品で行方不明か別の物になってるからー」
「そう。じゃあ、今日からよろしくね、えーっと」
「私の名前はブレイン・ウィズダムだよー」
「そう、よろしくね、ブレイン」
「うん、よろしくー」
「なあ、ブレイン。そろそろ離してくれないか?」
「お兄ちゃん、だーい好きー。ほっぺすりすりー」
「あははははは! これは……お仕置きが必要がようね!」
「キャー、助けてお兄ちゃーん。お姉ちゃんが怒ったー」
「はぁ……お前、絶対わざとやってるだろ」
「うん、そうだよー」
「そうか……」
「ブレイン! お兄ちゃんから離れて!!」
「お願い、お姉ちゃん。もう少しだけお兄ちゃん成分補給させてー」
「……もう少しだけよ」
ええ……。
「やったー! ありがとう、お姉ちゃん。それじゃあ、もう一回ほっぺすりすりー」
「はぁ……よしよし」
「あー、お兄ちゃんに頭撫でられてるー。幸せー」
「お兄ちゃん、私の頭も撫でて」
「はいはい」
この日、妹が一人増えた。




