卵になる光線銃
公園に鶏の卵が何個か落ちている。色は白。近くに雌鶏の姿はない。
「無精卵かな?」
僕が卵に触ろうとするとどこからか光線が飛んできた。僕はそのへんの石と自分の居場所を入れ替えて回避した。
「あー、そういうことか」
石が卵になっているのを見て僕はこれが光線を放った者の仕業だということに気づいた。
「たしか向こうの山から飛んできたよな」
検索。はい、光線銃を持ってるやつ発見。僕は雲の一部と自分の居場所を入れ替えて犯人の射程内に入らないようにした。
「羅々。お前の目の力使わせてもらうぞ」
僕は自分の体内にある幼馴染の『百々目鬼 羅々』の目の力を使って犯人の現在地を特定した。よし、あいつの周囲に捕獲結界を作ろう。えいっ! よし、捕獲成功。えーっと、捕獲結界の外側に連絡できる道具や能力を封じる圏外結界を作ってっと……。よし、できた。うーん、一応僕の周囲に反射結界を作っておくかな。よし、地上に降りよう。
「はじめまして。君の名前と目的を教えてもらえるかな?」
「お前か! 俺をこんなところに閉じ込めたのは!」
「そうだよ。で? 君は何しに来たの?」
「決まってるだろ! 国が開発したこの『卵になる光線銃』を試しに来たんだよ!!」
こいつ、口軽いなー。
「そうか。そのおもちゃは国が作ったのか。で? それは何に使うのかな? 人身売買? 暗殺? 拉致監禁?」
「強盗やコレクションもできるぞ!」
「そうか。で? それはあと何個くらいあるの?」
「まだ試作品だからな! 三十分で効果は切れる」
「そうか。じゃあ、それを作った人のところに案内してもらおうかな」
「なんで俺がそんなことしなくちゃならないんだよ!」
「君は僕にその銃の秘密をしゃべった。どうせ君はもう用済みだと思うから僕と一緒に悪あがきをしてみないか?」
「うーむ、まあ、そうだな。よし! 分かった! ラボまで案内してやるよ!!」
「ありがとう。じゃあ、行こうか」
「おう!!」




