ヒーリングワールド
かわいらしい字だなー。実家のポストに届いたピンク色の封筒。その中に入っていた手紙に書いてある字は全体的に丸くて柔らかい字だった。
「わたしはいつもあなたのことをみまもっています。だれかのためにがんばっているあなたのすがたはすごくかっこいいです。でも、ちゃんとやすまないといつかからだをこわしてしまいます。なので、きょうはちゃんとやすんでください。このてがみをよみおわるとヒーリングワールドにいけるようになります。こころとからだのじゅんびができたらあなたのそばにあるとびらをあけてください」
扉? うーんと……あー、庭にあるな。猫耳と天使の翼が生えている白い扉。僕が扉をノックすると扉の向こうから誰かが近づいてきた。
「準備はできましたか?」
扉の向こうから優しい声が聞こえる。
「返事をする前に一つ質問してもいいかな?」
「何ですか?」
「そっちとこっちの世界にタイムラグはあるのかな?」
「戻りたい時間に戻れるのでタイムラグはないようなものです」
「そうか。じゃあ、今からそっちに行ってもいいかな?」
「はい、もちろんです」
「分かった。じゃあ、今からそっちに行くね」
僕が扉を開けるとそこには視界よりきれいな美しい自然と生き物たちがいた。
「ようこそヒーリングワールドへ。私はガイドのわたあめです」
「わたあめさんか。えっと、あの手紙は君が書いたのかな?」
「あれは姫様が書かれたものです」
「へえ、そうなんだ。じゃあ、あいさつしに行ってもいいかな?」
「その必要はありません。もうすぐここに」
「雅人様ー!!」
「おや、予定より早かったですね」
「え? この娘が姫様なのか? というか大丈夫なのか? 一人でこんなところに来て」
「いつものことです」
「それ、大丈夫なのか?」
「姫様は天才なので必要な知識や技術は全て身につけております」
「その通り! なので何も問題ありません!」
「本当に?」
「はい!!」
「そうか。じゃあ、一緒にこの世界を見て回ろうか」
「はい!!」




