不思議な靴と迷いの森
今回の依頼は行方不明になった少女の捜索だ。よし、不思議な靴を使って探そう。
「マスター! 私も同行します!!」
「そうか。じゃあ、不思議な靴をもう一足用意するか」
「マスター、私の足のサイズを測らなくてもいいんですか?」
「メルン。こういうのはな、本人に合わせて形や大きさが変わるんだよ」
「そうなんですか?」
「ああ、そうだ。というか、そうじゃないと困るだろ」
「まあ、そうですねー。じゃあ、行きましょうか!」
「ああ」
不思議な靴。これは履いた人の願いを叶えてくれる。まあ、願いが曖昧だと変な叶え方をするんだけどな。
「不思議な靴よ、僕とメルンを行方不明の少女の現在地まで連れていってくれ」
「はーい」
「あっ、この靴しゃべれるんですね」
「まあな」
数分後、行方不明の少女を発見。彼女は迷いの森にいた。
「お兄さんたち誰?」
「君を探しに来たんだよ」
「そうなんだ。パパとママは?」
「君のことすごく心配してるよ。さぁ、一緒に帰ろう」
「うん」
その後、僕たちは少女を両親のところまで連れていった。両親は泣きながら僕たちにお礼を言って少女と共に去っていった。
「よかったですねー」
「そうだな」
「マスター、なんか顔怖いです」
「そうか? ちょっと考え事をしていただけなんだが」
「マスター、もしかして今回の事件って迷いの森が許可なく食事をしようとしたのが原因だったりします?」
「そうじゃないといいんだけどな」
*
「なあ、迷いの森。どうしてあんな小さな娘を森に閉じ込めたりしたんだ?」
「おいしそうだったから、つい」
「死刑囚の肉じゃ物足りないってことか?」
「あんなまずい肉いくら食べても満腹にならない」
「じゃあ、何の肉なら満足するんだ?」
「かわいい女の子の肉」
「本当は?」
「処女の少女の肉」
「はぁ……処女好きなのか?」
「うん」
「理由は?」
「女の子は男と交わると体質が変わる。だから、そうなる前の肉がいい」
「そうか……分かった」
「じゃあ」
「期待せずに待っててくれ」
「分かった。じゃあ、百年に一度でいいから持ってきて」
「その時が来る前に地球がなくなってるかもしれないから期待しない方がいいぞ」
「はーい」
はぁ……やれやれ。




