進路
今日は二者面談の日だ。進路かー、どうしようかなー。
「先生、僕はこの学校を卒業できるんでしょうか?」
「転校もしくは中退するかもしれないということですか?」
「いや、その、なんというか最近未来新聞を読んでいたら僕の記事が載っていたんですよ」
「そこに未来のあなたのことが書いてあったとしても必ずしもそうなるとは限りません。ということで一応進路について考えていきましょう」
「進路ですか。うーん」
「別に今決めなくてもいいんです。ただせめて進む方向だけでも決めてほしいなーと思いまして」
「先生、今年で人生が終わるとしたらどうします?」
「そうですねー。とりあえずいろんな国の料理や景色を五感で味わいたいですね」
「そうですか。いいですね、旅。えっと、進路についてでしたね。うーん、先生」
「はい、何ですか?」
「星の王って職業なんでしょうか?」
「職業というより身分や地位だと思います。えっと、もしかしてあなたは就職したいのですか?」
「いや、正直お金には困っていませんし、仕事は今やってるファミレスのバイトをこれからも続ければいいかなーと思ってますし、それに進学や就職をすると何かが僕を倒すためにやってきて色々めちゃくちゃにしようとすると思うので僕は僕のままで星の王として生きていけたらなーと思っています」
「そうですか。分かりました。では、次の人を呼んできてください」
「今のでいいんですか?」
「あなたの進路を決めるのはあなたです。あなたがそれでいいのならそれでいいんです。まあ、私には手助けくらいしかできませんが」
「美山先生」
「はい、なんでしょう」
「先生は何があってもそのままの先生でいてくださいね」
「私は私です。今までも、そしてこれからも。なので雅人さんは自分の道を突き進むことに集中してください」
「ありがとうございます。じゃあ、そうしますね。でも、一人じゃ心細いので付き添いを頼んでもいいですか?」
「はい! もちろんです!! 一緒に頑張りましょう!!」
「はい。では、次の人呼んできます」
「はい、よろしくお願いします」




