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箱入り娘

 はぐれ死神の『リリナ・デスサイス』のひたいに『暴露』という文字を書いた座敷童子。

 果たして、彼女はどのようなことを暴露するのでしょうか。


「私、本当は鬼姫ききちゃんと〇〇したり、〇〇で〇〇なことをしたりしたいんです。でも、それができそうにないことが分かってからは毎晩一人で鬼姫ききちゃんと〇〇するのを想像しながら〇〇ってました。ですが、それはもう終わりです。だって、ようやく鬼姫ききちゃんに会えるんですから! さぁ、鬼姫ききちゃん! 私と一緒に〇〇しましょう!!」


童子わらこ、もういい。やめさせろ」


 座敷童子はコクリとうなずくと、リリナのひたいに『解除』という文字を書いた。


「あれ? 私、今まで何して……って、みなさん、どうしたんですか? 私、みなさんを不快にさせるようなこと言いましたか?」


「いや……まあ……その……なんだ……。色々苦労してたんだなって……」


 雅人まさとは彼女から目を逸らしつつ、そんなことを言った。


「……? あー、えーっと、まあ、そうですね。あはははは」


「……それで? あなたはこれからどうしたいのですか? やはり、あの鬼と話したいのですか?」


 リリナは手遊びをしながら、答える。


「ま、まあ、そうですね。久しぶりに会って、話がしたいです」


「だそうですよ、雅人まさとさん」


 座敷童子は彼に判断を任せた。


「あー、そうだな。まあ、公園での一件をなかったことにはできないけど会話は普通にできるし、危害を加える様子もなさそうだから、会わせてあげてもいい……かな」


 リリナはそれを聞くと、目をキラキラと輝かせた。


「それは本当ですか! 本当に鬼姫ききちゃんとお話ししてもいいんですか!?」


「ああ、いいよ。でも、ちょっと時間がかかるから、少し待っていてほしい」


 彼が自分の中にいる鬼姫ききに話しかけている間、リリナはニコニコ笑いながら左右に動いていた。


「……えっと、こっちの準備はできたけど、リリナはどうかな?」


「いつでもいいです! バッチコーイ! です!」


 テンション高いな、自分は情緒不安定とか言ってたけど、ただ単に感情の起伏が激しいだけなんじゃないのか?

 まあ、いいや。


「分かった。それじゃあ、始めるぞ」


「はい!!」


 彼女が期待の眼差しで彼のことを見つめていると、彼と鬼姫ききの精神が瞬時に入れ替わった。


「久しぶり。元気だった?」


「……! き、きききき、鬼姫ききちゃん! あなた、本当に鬼姫ききちゃんなんですか!」


 リリナ・デスサイス。

 昔、遊んだ記憶があるわね。

 死神にしては感情が豊かで人間より人間らしかった覚えがあるけれど、今はどうなのかしら。


「本当よ。まあ、今は雅人こいつの体の中にいるんだけどね」


「同性ならまだしも、よりにもよって異性の体の中に封印されるなんて……。人間って、ひどいことしますね!」


 いや、あたしはそれ以上のことをやってるからね?

 それは忘れないでね?


雅人こいつ、意外と頑丈だから、なかなか快適よ。自家発電だって、頻繁にしないし」


「自家発電? 人間は自分で電気を作れるのですか?」


 ちょっと待って……この娘、そんなことも知らないの?

 恋愛経験がないやつなら知ってるけど、性知識すら身につけていないなんて、どこまで箱入り娘なのよ!


「あー、今のは忘れて。本当にどうでもいいことだから」


「そうなんですか? 分かりました、今の話はなかったことにします」


 その後、二人は色々と話していた。

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