こいつは島じゃねえ……クラーケンだ!!
クラーケン。それは北欧に伝わる巨大な海の怪物である。見た目は主にタコやイカ。他には触手が海竜の首だったりクラゲやヒトデっぽいのもある。まあ、とにかく島と勘違いするほど巨大な海の怪物だということだ。
「なんだろう、あれ」
「どうした?」
「船長、あそこに島のようなものがあります」
「島? そんなもの昨日はなかったぞ」
「ですよね。うーん、見間違いかな……」
「気になるんだったらお前見てこい」
「はい、分かりました」
僕が島のようなものに上陸すると島は移動し始めた。
「な、なんだ!?」
「こいつは島じゃねえ……クラーケンだ!!」
「ふわあ……あー、よく寝た。ん? なんかいるな。よっと」
化け物の触手が僕の体を掴み、ひょいと持ち上げる。
「う、うわあ! 船長! 助けてくださーい!!」
「す、すまねえ。腰が抜けて動けねえ……」
「はぁ……たまにいるんだよねー。島と勘違いして上陸する人間。次は気をつけるんだよ」
「え? は、はい、分かりました」
「よろしい。じゃあ、君を船まで運ぶね」
「あっ、はい、よろしくお願いします」
化け物は僕を船まで運ぶと海に潜り姿を消した。
「マスター、クラーケンってどんなUMAなんですか?」
「あれは海の警備員みたいなものだよ」
「へえ、そうなんですかー」
「うん、そうだよ。まあ、世界中にいるから運が良ければ会えるんじゃないかな」
「えっと、人を襲う個体はいるんですか?」
「攻撃されたら反撃するけど何もしなければ普通に通りすぎるだけだよ」
「ということはクラーケンに襲われた人たちは全員」
「クラーケンに攻撃したか船がクラーケンにぶつかって怒らせてしまったからだろうね」
「なるほどー」
僕たちは空を飛びながらそんな話をしていた。




