自宅警備員グローツラング
グローツラング。オレンジ川流域に生息している大蛇型のUMA。体長は十二メートルほどで目がダイヤモンドなどの宝石になっている。洞窟にあるダイヤモンドの鉱脈を守っていて出会った者に対して呪いをかけるらしい。たまにゾウと蛇のキメラのような個体が見つかることもある。
「おーい、グローツラングー。何か変わったことはないかー?」
「特にないっす」
「そうか。でも、たまには洞窟の外に出ないと体に悪いよ」
「そうっすね。じゃあ、明日晴れたら外に出ます」
「分かった。じゃあ、明日晴れにするね」
「今の冗談ですか?」
「いや、本気だよ」
「そ、そうっすか。どんどん神様みたいになってますね」
「僕は神様なんかじゃないよ。僕は自分にできることをやってるだけだよ」
「なるほど。えっと、そろそろ寝でいいっすか?」
「うん、いいよ。おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
「……マスター、あんなひきこもりがUMAなんですか?」
「ただのひきこもりじゃないよ。ちゃんと珍しい宝石を守ってるんだから」
「あんなの人間たちの兵器で普通に倒されますよ」
「あいつは元々天界の警備員だから人間界の兵器は効かないんだよ」
「へえ、そうなんですか。すごいですねー。じゃあ、そろそろ帰りましょうか」
「そうだな。そうしよう」




