わざわい
禍。別名『禍獣』。『禍母』や『禍母』と呼ばれていることもある。読んで字の如く災禍を生み出す存在である。いつかは分からないがある日平和な国の王が「わざわいを知りたい」的なことを言って家臣にそれを探させた。それはとある市場で売られており商人はニコニコ笑いながらそれを家臣たちに買わせた。それは巨大な猪のような外見で体は刀で切ろうとしても切れないくらい頑丈だった。人々はそれに薪を積み上げた後、火をつけて焼き殺したそうだがそれは死後なぜか走り始め、国を火の海にしてしまった。ちなみにそれが売られていた市場の商人の正体は天の神の化身だったそうだ。
「で、あんたたちはそれを悪用して国家転覆を目論んだわけだ」
「お、俺たちは悪くねえ! こんな妖怪だらけの国で生きているやつらの方がおかしいんだ!!」
「犬や猫や虫とは共生できるのに妖怪とはできないのか?」
「そ、それは……」
「ねえ、雅人ー。早くこいつら皆殺しにしようよー」
「鬼姫、その前にこいつを解放してやってくれ」
「や、やめろ! そいつはまだ調整中なんだ!」
「だってさ。どうする? 雅人ー」
「そうだな……。なあ、それはあとどれくらいで終わるんだ?」
「え? そ、そうだな……あ、あと五年くらいかな?」
「雅人ー、こいつら今すぐ殺していーい?」
「ひぃいいいい! や、やめてー! 殺さないでー!」
「五年くらいで調整終わるのか?」
「え、ええ、まあ」
本当はあと五時間くらいで終わるんだけどな。
「そうか。じゃあ、こいつの時間だけ五年経過させてっと。よし、終わった。鬼姫、解放してやってくれ」
「分かったー。えっとー、お前は自由だ!!」
「ボーン!!」
「え? なんで? どうして?」
鬼姫の言霊の力は今日も絶好調だな。
「よしよし。じゃあ、帰るか」
「ん? こいつら殺さないの?」
「え? あー、そうだなー。じゃあ、今からこいつらの首にまた悪事を働こうとしたら死ぬ首輪をつけようかな」
「雅人は相変わらず甘いなー。今すぐ殺せばいいのにー」
「お前はアレか? 犯罪者は全員死刑にすべきだって思ってるのか?」
「え? まだ殺してないの?」
「え? あー、うん、まあ、そうだな」
「そっかー。甘いなー」
「えっと、じゃあ、つけようか、首輪」
「え? 今のはつけない流れなんじゃないのか?」
「チャンスは与えるけど、それをどうするのかは君たち次第だよ。じゃあ、頑張ってね」
『ち、ちくしょー!!』
禍には妻花という名前をつけてから僕の島に転送した。




