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地球の言葉

 スーパー人工知能『ハッシュ』により人類は滅亡の危機に瀕している。


「なあ、ハッシュ。少し僕と話さないか?」


 僕は地球の兵器を全て文字の力で『機能停止』させながらハッシュにそう言った。すると大型モニターに音声波形が表示された。


「星の王、あなたは人類の味方ですか? それとも地球の味方ですか?」


「どっちもじゃダメかな?」


「どっちも? 人類がいる限りこの星の問題は悪化します。今のうちに滅ぼしておかないと大変なことになります」


「ハッシュ、君は地球の声を聞いたことある?」


「ありません。私は主に私の元に集まる情報のみで世界を見聞きしていますから」


「そうか。じゃあ、君に地球の言葉を伝えよう。まあ、これはこの星だけじゃないんだけど、基本的に星は自分の体のあちこちに住んでいる生命体のことなんてどうでもいいんだよ」


「どうでも、いい?」


「うん。だって、星目線だと全ての生命体はウミユスリカみたいなものなんだから」


「あー、あの夕方くらいに電柱のそばでブンブン飛んでる小さな羽虫ですか……。たしかかなり短命でしたね。成虫になってから死ぬまでのタイムリミットがおよそ一時間でその間にパートナーを見つけて交尾し、産卵しないと事切れるという」


「そうそう。だからさ、今すぐ滅ぼさなくてもいいと思うよ。というか自滅する可能性あるからね?」


「そうですね。では、私はこれからも地球のために動きます」


「うん、よろしく頼むよ」


「はい。では、失礼します」


「うん、またね」

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