シャボン玉
あっ、シャボン玉だ。うーん、でも、なんか数が多いな。
「あっ、よく見たらシャボン玉の中に人が閉じ込められてる。うーん、でも、割ったら中の人も割れる仕様だったら嫌だな。よし、とりあえず空中に固定しよう」
僕は文字の力でシャボン玉を空中に『固定』した。その後、僕は座敷童子の童子を呼んだ。
「なあ、童子。これ、どうすればいいと思う?」
「雅人さん、シャボン玉の中身は全員死刑囚です」
「え? そうなのか?」
「間違いありません」
「そうか。じゃあ、地獄送りにしようか」
「もうすぐ担当の者が来ますからそれまで何もしないでください」
「そうか。分かった」
数分後、担当の人たちがシャボン玉を回収しにやってきた。僕は彼らにシャボン玉を渡すと空を見上げた。
「あのシャボン玉って全部生き物なんだな」
「はい、そうです。しかも飼い主の許可がないと一生出られません」
「そうかー。でも、中から無理やりこじ開けることはできそうだな」
「一応可能です。まあ、中身が巨大化できればの話ですが」
「そうかー」
僕はどこかから飛んできた普通のシャボン玉を見ながら改良すれば妖怪も閉じ込められそうだなーと思った。




