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偽汽車
最近、夜になるととある路線で蒸気機関車がこちらに向かってくるという噂がある。それはこちらにぶつかる前にふっと姿を消してしまうらしい。
「それは偽汽車だな」
「偽汽車?」
「ああ、昔はよくあったんだよ。まあ、要するに汽車に化けたタヌキたちのいたずらだ」
「そっかー。でも、なんで化けて出るんでしょうねー」
「さぁな。奪われた住処を取り戻しに来たんじゃねえか?」
「そっかー。じゃあ、俺たちもそろそろ駅員やめてみんなと合流しましょうか」
「そうだな」
便利になるといいこともありますが悪いこともある。自分たちの生活だけではなくて自然も大切にしましょう。




