タンスの整理
暇だなー。タンスの整理でもするか。
「はっ! こ、これは! 夏樹が小さい頃に履いていた靴下じゃないか!! なんでこんなところに」
「お兄ちゃん、何してるの?」
「な、夏樹!? え、えーっと、タンスの整理をしてたんだよ」
「ふーん、そうなんだ。それで? 背中に隠してるものは何なの?」
「え? いや、これはその……」
「みーせーてー」
「え、えーっと」
「み・せ・て……」
「は、はい……」
「へえ、私がちっちゃい頃に履いてた靴下まだあったんだー」
「ああ、さっき見つけた」
「ふーん、そうなんだ。ということは探せば他にも出てくる可能性があるってことだね」
「まあ、そうだな」
「よおし! それじゃあ、宝探し開始ー!!」
「あっ! こら! 夏樹! タンスに入ってるもの全部出すな!!」
「一度全部出した方が整理しやすいでしょ? ん? これ、なんだろう。手紙?」
「あっ! そ、それは!!」
「……ラブレター……だね。しかも、お兄ちゃん宛て」
「そ、そうみたいだな」
「ねえ、お兄ちゃん。これ、いつ、どこで、誰からもらったの?」
「……小さい頃の夏樹からだよ」
「え? あー、そういえば、昔幼稚園で好きな人に手紙を書くのが流行ったことあったなー。そっかー、これはその時私が書いたやつだったのかー」
「ああ、そうだ」
「そっかそっか。えーっと、手紙の内容は……おにいちゃんへ、おおきくなったらけっこんしようね♡……だって」
「お、おう」
「実現できるといいなー」
「そうだなー」




