表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1473/1941

金魚の女王

 帰宅時、僕は白い金魚の固有空間に閉じ込められた。


「えーっと、君は僕に何をするつもりなんだ?」


「……ここで一生私と暮らしてほしい」


 初対面の白い金魚にプロポーズされた。今のところ擬人化していないが、多分やろうと思えばできる。擬人化は固有空間作るよりハードル低いから。


「返事をする前に一つだけ質問させてくれ。君はただの白い金魚じゃないな。何者だ?」


「私は自然界に生息している名前のない金魚」


「んー? 自然界に金魚っていたっけ?」


「品種改良で生まれた金魚のルーツは私」


「そうか。じゃあ、君は金魚の女王なんだね」


「まあね」


「よし、じゃあ、僕はこれで」


「帰さない。あなたは一生ここで私と暮らすの」


「それ、僕じゃなくてもよくないか? この世にはたくさんの男性が」


「アレには興味ない。でも、希望のかけらであるあなたには興味がある」


「君ってもしかして絶望のかけらだったりする?」


「違うという証明はできないけど、あなたになら私の体を捌かれてもいい」


「そうか。でも、そんなことしなくても君から邪悪な気配は感じられないから絶望のかけらじゃないよ」


「そう」


「えっと、一生は無理だから休日とか暇な時とかでどうかな?」


「……私が透明化してあなたのそばにずっといていいのなら、あなたはここに来なくていい」


「そうか。じゃあ、そうしようか」


「うん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ