表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1466/1941

ジンベイサマ

 ジンベイサマ。宮城県金華山沖に出現するという伝承が残る海の怪。これが出るとカツオが大量に獲れるらしい。


「船長! やつが来ましたー!!」


「よおし、じゃあ、やつの子どもをデンキウナギの水槽の上で宙吊りにしろ」


「へい! 野郎ども! やれー!!」


『おー!!』


 ドタバタ海賊団はジンベイサマの子どもを捕獲し、親をおびき寄せている。巨大なアームで持ち上げられた子どもは大泣きしながらジタバタ暴れている。


「ジンベイザメの王よ! 完全武装したうちのクルー百人と戦う勇気はあるか!!」


「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


「せ、船長! やつは船の下にいます!!」


「うろたえるな! 子どもがいる限り、やつは攻撃できない!」


「じゃあ、もし誰かが子どもを解放したらどうなる?」


「誰だ! 俺の船に勝手に乗るんじゃねえ!!」


「通りすがりの高校生だ」


「ふざけるな! 野郎ども! かかれー!!」


『おー!!』


「『強酸化』」


『ぎゃああああああああああああああああああああああ!!』


「こ、こいつ! 全身を強酸にしやがった!!」


「相手の攻撃は自分に当たる前になんとかすれば大抵どうにかなるんだよ」


「そうか。なら、これならどうだ!!」


 ヒョウモンダコの毒が入っている弾丸をくらえば、こいつは確実に死ぬ!! そのあと、俺はジンベイサマを捕獲して食う! こいつのフカヒレは誰にも渡さねえ!!

 僕は船長が引き金を引く前に改良したイモガイの毒を船長の心臓に注射した。


「うっ! お、お前! 俺の体に何をした!!」


「あの世に行けば教えてもらえるよ」


「ま、まだだ! 俺はまだ、死ぬわけにはいかな……い」


 そうか。空間を繋げられるやつと戦ったことなかったのか。まあ、宇宙海賊でも能力者でもないからな……。こんなもんか。


「デンキウナギくん。君は故郷に帰してあげるよ。というか、ジンベイサマの子どもは自力でなんとかできてたよね?」


「ウン」


「ウンって……まあ、いいや」


 僕はジンベイサマの子どもを解放すると海まで運んだ。


「もう捕まるんじゃないぞー」


「ハーイ」


「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」


 えーっと、あとは。


「デンキウナギくん。その穴は君の故郷と繋がってるから寄り道せずにまっすぐ家に帰るんだよ」


「ワカッタ」


「おう。じゃ、元気でな」


「お兄ちゃーん! 迎えに来たよー!!」


「おー、夏樹なつきか。ごめん、まだ船の掃除してないからそれが終わるまで家で待っててくれ」


「はーい!!」


 さてと……どこから掃除しようかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ