師匠のライバル
僕たちが帰宅すると宇宙怪盗ロイヤルミスティーが玄関で跪いていた。
「お久しぶりです、師匠のライバル『朔』様」
「人違いだ」
「見た目が幼くても魂の色で分かります。あなたは間違いなく師匠のライバルです」
「……正解だ。お前やお前の師匠の現状について話したいことが山ほどあるが、今は星の王に色々と話しておかなければならない。だから、それまでゆっくりしていてくれ」
「分かりました」
「二人は知り合いだったのか。えっと、朔さんは僕に関する情報を話せる権限を持っているのか?」
「うん」
「そうか……。えっと、なんかごめんな、ミスティー。本当は僕より先に彼女と色々話したいよな」
「気にしなくていい。宇宙怪盗はそんなことで怒らない」
「そうか。ありがとな、ミスティー。話が終わるまでリビングで待っててくれ」
「分かった……星の王」
「ん? なんだ?」
「今までも……そしてこれからもお前とお前の妹は実の兄妹だということを頭に入れておいてくれ」
「ああ、分かった」
「ねえ、お兄ちゃん。私も一緒にお話し聞いてもいい?」
「え? あー、それは……」
「許可する」
「だってさ」
「やったー! じゃあ、私、先にお兄ちゃんの部屋に行ってるね!」
「おう、分かった」
「こんな時でもマイペースなんだな」
「それが夏樹のいいところだよ」
「そうか」
「ああ」
「じゃ、行こっか」
「ああ、そうだな」




