ペットショップのトカゲ
ペットショップにはたくさんの動物がいる。しかし、稀に動物ではないものが混じっていることがある。
「ママー! あれ買ってー!!」
「あら、かわいいトカゲさんねー。店員さん、この子はおいくらなの?」
「十万円です」
「あら、安いわね。買わせてもらうわ」
「ありがとうございます。でも、こいつ毒がありますよ」
「爬虫類好きは毒の有無なんて気にしないわ。さぁ、早くその子を私の車まで運んでちょうだい」
「は、はぁ」
富裕層のイメージが具現化したような人たちだったなー。あっ、親父……店長の死因あいつだって言うの忘れてた。うーん、まあ、いいか。
数日後、そのトカゲは脱走し、野生動物を襲い始めた。襲われた動物たちは皆毒によって絶命している。
「それで? 僕はそいつを捕獲すればいいんですか?」
「うん!」
「私からもお願いします。あの子は家族の一員なんです」
「彼女がただの動物じゃないとしても、ですか?」
「え?」
「もしもの話です」
「そ、そうですね……。私は別に構いません」
「私もそう思う! だって、リリィちゃんはリリィちゃんだもん!!」
「そうですか。分かりました。それでは、三日以内に彼女をここに連れてきます」
「本当ですか!!」
「はい、本当です。では、さっそく彼女の捜索を始めます」
「よろしくお願いします!!」
「はい、任せてください」
えーっと、今やつはどこにいるのかなー。




