ピピポン星編 下
バグル星で流れた動画はあまり効果がなかったため、すぐに幻覚作戦を発動。これによりバグル星人たちは条件を満たさない限り嫌がらせをしてもあまり反応してもらえない幻覚に囚われ続けることになる。その条件とは嫌がらせをするのが嫌になったまたは嫌いになるといった嫌がらせに対して嫌悪感を抱いた時である。
「ありがとうございます! あなたのおかげでこの星だけでなくバグル星人たちの被害を受けた星々も救われました!」
「そうか。じゃあ、僕はこれで」
「待ってください! 実は私、この星の王女なんです!」
「え? あー、うん」
「あれ? もしかしてご存知でした?」
「まあ、なんとなくそうなんじゃないかなーとは思ってたよ」
「そ、そうですか。コホン……えーっと、まあ、その、お礼というか、なんというか……私と結婚してください!!」
「僕、子持ちだよ?」
「全然大丈夫です!」
「許嫁もいるし」
「全然大丈夫です!」
「いや、でも、僕の妹が許してくれないと思うよ」
「それは困ります! よおし、まずは妹さんと仲良くなるぞー!!」
「えーっと、もしかしてうちに居候する気満々だったりする?」
「はい!!」
「そうか……じゃあ、まず僕の妹に許可をもらわないといけないね」
「何のですか?」
「同棲してもいいかどうかだよ」
「なるほど! でも、私恋愛経験一切ないので恋とか愛とかってよく分からないんですよねー」
「そうか。うーん、特定の誰かと一緒にいたいって思ったら恋の始まり……という噂を聞いたことがあるなー」
「なるほどー。メモメモ!」
「えっと、じゃあ、準備ができたら呼んでくれ。僕はそのへん散歩してるから」
「はい! 分かりました!!」
僕はピピポン星人のピンの準備ができるまでそのへんを散歩していた。




